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田原市博物館と夕食(10月10日)

2025.10.11 / 

父ドナルド・キーンは、2007年に評伝『渡辺崋山』(新潮社)を著しましたが、そのご縁で2017年から田原市博物館の名誉館長をつとめさせていただきました。

そして没後2023年には田原市博物館で「ドナルド・キーンと渡辺崋山」と題した規模も大きくて内容も素晴らしい見事な展覧会を催していただきました。

明日10月11日は、渡辺崋山の命日にあたり城宝寺で墓前祭、そして崋山神社で御神事があります。父は一度生前に参加したことがありました。というわけで私は、明日の墓前祭と大祭に参加するために田原市入りしました。

田原市博物館の天野館長にわざわざ豊鉄の三河田原の駅までお迎えいただき、田原市博物館に連れて行っていただきました。

博物館では、旧知の学芸員・三宅さんに現在開催されている展示を案内していただき詳しく説明していただきました。

渥美半島の貝塚展」は前館長の増山さんの渾身の企画展で渥美半島が貝塚の宝庫であることがよく分かり、貝塚発掘の歴史は勿論、発掘されたものそのものが数多く展示されていて極めて興味深い展示でした。

「盛義海水亭を訪れた俳人たち」と題された展示も、渥美半島は芭蕉も訪れたことがあり、俳句が愛された土地柄であったようです。短冊や色紙、軸物に書かれた俳句など、父が見たらきっと興味を持ったに違いないと思われる展示でしばらく見入ってしまいました。

また渡辺崋山の展示室には、崋山大祭の頃に特別に展示されるものもあり大いに見応えがありました。重文クラスのオリジナルなど、崋山のオーラを感じるくらいでした、名作の「一掃百態」もそうですが、7歳の息子に遺した遺書などなど感動的でした。

今回の展示はすべてすばらしく、拝見できたことはものすごく幸運だと思いました。

夕食は、2017年の崋山大祭に来た時に父と行った鰻屋さん「鈴幸(すずこう)」でした。父は鰻が大好物でしたが、鰻が食べたいと言って、当時の田原市博物館の館長・鈴木さんに教えていただいて行ったところでした。今回は天野館長、学芸員の木村さん、三宅さんの四人で6時頃に行きました。

「鈴幸」さんのご主人もお母さんも父が行ったことをとてもよく覚えていて下さって、2年前のポスターもまだ飾ってありとても嬉しく思いました。

土地のお刺身などをいただいてから、ミニうな丼を美味しくご馳走になり大満足でした。

田原市博物館で写真を撮り忘れたので、2017年の崋山大祭に行った時に、ドナルド・キーンが田原市博物館で崋山の作品を拝見した時の写真をアップいたしました。

父は、生前に講演など計三回田原市や田原市博物館を訪問しましたが、崋山や田原市が大好きだったと思います。