昨日11月16日午後2時から、世田谷文学館の一階で御厨貴先生の「ドナルド・キーンと私」と題したご講演をいただきました。
日本文学研究者のドナルド・キーンと政治学の御厨先生との接点はとの疑問をお持ちの方が多いと思います。
そのことについても先生はご講演のなかでとても詳しく興味深くお話しくださいました。
ドナルド・キーンの名前を初めて聞いたのは、子供の頃1950年代にお父さまからお聞きしたとのことでした。子供の頃なので記憶があいまいで間違っているかもしれないが、お父さまは銭湯でドナルド・キーンとサイデンステッカーに会ったらしい、一緒にお風呂に浸かって言葉を交わしたらしいとのことでした。
しかしそれはドナルド・キーンから私が聞いた話では、その頃京都から上京すると巣鴨のサイデンステッカーの家に泊めてもらい銭湯に一緒に行ったと父から聞いていたのでそれは御厨先生の記憶違いではなく真実でした。講演の後先生にそのように申し上げると納得しておられました。
先生の理路整然として分かり易くて説得力のあるご講演は、いずれ活字になると思いますのでここでは詳しく書くことは差し控えさせていただきます。
先生はドナルド・キーンの著書『明治天皇』(新潮社)を非常に高く評価して下さり出版されると同時に書評を書いて下さりました。父もその書評を、『明治天皇』について書かれた書評の中で最もよいと言っていました。
そして私にとってとても嬉しかったことは私が私家版として出版したドナルド・キーン追悼文集『ひとり灯の下にて』を、こちらも高く評価して下さったことです。
私が初めて先生にお目にかかったのは、庄司薫先生と中村紘子先生のお宅のパーティでのことだったそうです。私はそのパーティは有名人ばかりでしたので目を白黒させるばかりで先生にお目にかかった記憶がなくすみませんでした、先生。



