7月12日(土)午後2時から神奈川近代文学館で、太田治子さんと荻野アンナさんによる「母たちの戦後」というとても興味深い対談があり行ってまいりました。
終わった後太田治子さんによるご著書『明るい方へ 父・太宰治と母・太田静子/斜陽日記』 (ちくま文庫)のサイン会がありサインをしていただきました。
実は、2014年(平成26年)6月10日にまさにこの同じ会場で私はドナルド・キーンの解説付きで古浄瑠璃『弘知法印御伝記』三段目を弾き語りしました。それは朝日カルチャーセンター横浜教室の主催で「ドナルド・キーンさんと学ぶ古浄瑠璃の世界」という会でした。その時に太田治子さんが控室に父にご挨拶に来てくださり私もお目にかかりました。私にとってはその時以来11年ぶりの再会だったのです。
今回サインをしていただいた際にその旨をお話ししたのですが、太田さんはよく覚えていてくださいました。
実は太田さんが父に挨拶して下さった時、父は4月12日に亡くなられた徳岡孝夫さんとの話に熱中していて、太田さんにろくにご挨拶させていただかなかったことを私はずっと気になっていました。私はそのことを申し上げて、「大変失礼いたしました」とお詫びすると、「そんなことはありません。お目にかかれただけでとても嬉しかったです」と言って下さったので、積年の肩の荷が下りた思いがいたしました。
サインしていただいたご著書は、まだ途中までしか読んでいませんが、太宰治が『斜陽』を執筆する際いかに太田治子さんのお母様の太田静子さまの影響を受けたかが分かり大変興味深いです。
写真は、サイン会の様子とサインしていただいたご著書です。そして2014年6月10日に古浄瑠璃について講演するドナルド・キーンですが、太田治子さんもお聴きくださったと思います。