江戸時代、１６８５年に上演されて以来途絶えていた人形浄瑠璃『弘知法印御伝記』が、２００９年に約３００年ぶりに上演さました。その『弘知法印御伝記』がいよいよ英語歌舞伎The Adventures of High Priest Kôchiとして見事に姿を変え、５月２５，２６、２７，２８日の四日間上演されます。場所は米国オレゴン州のポートランド州立大学（Portland State University）Lincoln Performance Hallです。

父の愛弟子、Kominz名誉教授は、日本で能、狂言、日本舞踊、義太夫などを実際に師匠について学び、それをもとに大学では学生たちに実際に日本の古典芸能を授業で教え、歌舞伎や狂言、日本舞踊などを舞台にかけてきました。それには衣装や鬘、大道具、小道具などが必要ですから、多くの方たちの献身的な協力があってこそそのような画期的な何十年も続けてこられたのです。まさにすべてが手作りなのです。

今回その集大成ともいえるThe Adventures of High Priest Kôchiは、コミンズ先生にとっては恩師ドナルド・キーンと、またやはり恩師の鳥越文藏先生（早稲田大学）と縁の深い『弘知法印御伝記』を英語歌舞伎として上演することは大変大きな意味があります。

私にとっても今回Portlandに行って、三味線や胡弓などで稽古から舞台まで一緒にお手伝いできることを望外の喜びとします。

チラシがコミンズ先生から送られてまいりましたので、ご紹介いたします。

９月には日本でも、その一部（サワリの部分）を上演する計画もございますので、その折にはよろしくお願い致します。